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どれくらい眠っただろうか?
眠りが浅くなった時、食欲をそそる香りに誘われて目を覚ました。
窓の外を見ると空が赤く染まっていて、いつのまなにか夕方になっていたんだと寝ぼけた頭でボンヤリ眺めた。
熱はすっかり下がったらしく、体のだるさも随分よくなっている。
ずっと寝ていたせいで固くなった体を思いきっり伸ばすと、再びいい香りが漂ってきた。
「兄貴のやつ、飲み物だけじゃなくて食べ物も買ってきたのか?」
まぁ、あいつが家を出たのは朝だったからこの時間になりゃ飯の準備位するか…。
昨日から何も食べていない俺の腹は、起きてからずっと何か食えと鳴りっぱなしだ。
キッチンへ行こうとベッドから立ち上がると、まだ少し足がふらついた。
壁に手を当てながら、ゆっくりと階下のキッチンへと向かう。
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