終わりと思ったら始まりで

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「うっそ…」 キッチンの扉を開けると、そこには湯気が立ち上る料理の数々が並んでいた。 キラキラと無駄に輝くテーブルセットも完璧で、兄貴が用意したなんて想像できねー位完璧に配置されたそれに開いた口が塞がらない。 俺の席には土鍋が置かれていて、蓋を開けると中には卵粥が入っている。 「…これ、全部兄貴が作ったのか?」 料理の『さしすせそ』を言わせると さ→最初が肝心 し→勝負は一度 す→全てはこの日為に せ→正義は必ず勝つ! そ→そんな感じで とか料理のりの字も知る気のない奴がだぞ、どうやったらこんな立派な料理を作れたんだ?? 出来合いのもんじゃなさそうだし…だけど兄貴がこれを作れるとは到底… ぐるるるるぎゅぅーぐぐぐー 俺しかいないキッチンに、腹の音が鳴り響く 「…ま、取り敢えず喰ってみるか」
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