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そして、8割方食べ終わったところで兄貴がいないことに気付く(今更とか思うなよ?)
我が家で一番の大飯喰らいが、こんなご馳走を前になんでいないんだ?
首をひねっていると、玄関のドアが開く音と共にガッシャーン!という大きな音が響き渡る。
「何だ!?」
慌てて玄関に向かい、目の前に広がる光景に思わず顔が引き攣る。
「あ、暁~…」
そこには、缶・ペットボトル・瓶といったありとあらゆる飲み物が散乱し、それらに下敷きになる兄貴がいた…。
「…何してやがんだ?お前は。」
「う…暁のどんな要望にも答えられるよう、近所の自販機からコンビニ・スーパーまで全部買いまわってた…が…重…い」
思わず頭を抱えて盛大な溜息をついちまう。
こいつは一体、どこまで馬鹿なんだ!?
足元に転がる缶を手に取ると、そこには『新感覚☆納豆飲料―君はどこまで糸を引いて飲めるか!?友達と競争しよう―』というどんだけ罰ゲームなんだという怪しげな飲み物が…。
「これとか、一体どこで売ってるんだよ」
「そこのスーパーで在庫処分品で安かったからさ。納豆は体にもいいし安いし一石二鳥だろ」
飲み物の下敷きになったままグっと親指を立てる兄貴に、こいつを口の中に押し込んでやりたい衝動に思わず駆られる。
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