3.

3/11

13人が本棚に入れています
本棚に追加
/57ページ
  次の日、授業の終わった俺はまた吉村家に行こうかどうか迷っていた。 連日押し掛けるのはさすがに迷惑じゃなかろうか。 今日のところは部室に寄って、ちゃんとあいつらと話をしよう。 「だーかーらー。そんな話があるかっての」 「家から出られない美女とか、お前漫画の読みすぎだろ」 ダメだった。 こいつら、人の話をまるで聞きやしねえ。 「どうせ定年退職した超頑固な元社長とかー」 「宝くじでひと山あてた変人のジジイとかー。そんなんだろ?」 どうしてもそっちの方向性がお望みらしい。 知るかよ、吉村さんは普通に美人だったんだから。 俺は嘘をついてない。こいつらがアホなだけだ。 「そんなに信じられないならお前らも来いよ。吉村さん結構寂しそうだったし人多いほうが喜ぶと思うぞ」 「はい出たー! ほらほら、俺らも巻き添えにして同じ目に遭わせようとしている森の策略ぅー!」 もうやだこいつら。  
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加