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次の日、授業の終わった俺はまた吉村家に行こうかどうか迷っていた。
連日押し掛けるのはさすがに迷惑じゃなかろうか。
今日のところは部室に寄って、ちゃんとあいつらと話をしよう。
「だーかーらー。そんな話があるかっての」
「家から出られない美女とか、お前漫画の読みすぎだろ」
ダメだった。
こいつら、人の話をまるで聞きやしねえ。
「どうせ定年退職した超頑固な元社長とかー」
「宝くじでひと山あてた変人のジジイとかー。そんなんだろ?」
どうしてもそっちの方向性がお望みらしい。
知るかよ、吉村さんは普通に美人だったんだから。
俺は嘘をついてない。こいつらがアホなだけだ。
「そんなに信じられないならお前らも来いよ。吉村さん結構寂しそうだったし人多いほうが喜ぶと思うぞ」
「はい出たー! ほらほら、俺らも巻き添えにして同じ目に遭わせようとしている森の策略ぅー!」
もうやだこいつら。
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