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玄関に足を踏み入れ、最初は少しだけふらつく。
だけども一昨日来た時にそこそこ感覚は掴んでいる。
ほっそりとした彼女の背に続いて、前回来た時と同じ部屋に通された。
にしてもここ、リビングなのかな、客間なのかな。
広い家だし部屋は沢山ありそうだ。
「今日はちょっと、クッキーとかあるんですけど……苦手だったりしませんか?」
「おー、好きですよ。嫌いな食べ物とか無いです、俺」
「それじゃあ、紅茶と一緒に持ってきますね」
彼女は楽しそうに笑うと、奥に引っ込んでいった。
クッキーか……きっと良い奴が出る。
もうよくわかんない名前が付いてるのとかが出る、きっと。
下心? いや違う。相手の厚意は素直に受け取るのが正しいんだ。
ほどなくして、前回と同じお盆に同じようなティーセット、それからお皿に盛られたクッキーを載せて持ってきた。
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