3.

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  それからまた、静かに紅茶を淹れてくれる。 俺はその仕草をずっと見ていた。 白くて細い指が、ティーポットの持ち手にかかるのとか。 蓋を軽く押さえてカップにつぐ所とか。 琥珀色の液体が音も立てずに白いカップを満たしてゆく、ただそれだけのことなのに。 彼女がやるとどうしてこんなにも美しいんだろうか。 「凄いなぁ……」 「えっ? 何がですか?」 思わず口をついて出てしまった。 きょとんとした彼女がこちらを見ている。 「いや、なんつーか、その……動きがいちいち綺麗だなと思って」 「そんな、こと」 さすがに今の発言はキザすぎた。 吉村さんも恥ずかしそうに顔を背けてしまった。  
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