3.

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  「素敵ですね。みんながそうならいいのに、人って悪い所を指摘するほうが楽しい生き物ですから」 「ま、そうですね。良い所って、ひっくり返すと嫉妬したくなっちゃうこともあるから」 その言葉に、彼女からの返事はなかった。 ただ寂しそうな目のままで、ほんの少し首を傾けるだけ。 やっぱりまだ周りが怖いんだろうか。 彼女が果たしていつからこの家にいるのかなんて俺は知らない。 生まれつき? 最近? 10年前? もっと仲良くなって、全部さらけ出して欲しい。 いつのまにか俺は、そう思うようになっていた。 彼女の淹れてくれた紅茶に、ミルクだけを入れてかき混ぜてから口をつける。 一昨日忘れた味が、もう一度口の中に広がった。 渋みの少ない、上品な味だと思った。  「んー、やっぱ美味しい。紅茶ってあんま飲んだ事なかったんですけどね」 「それはよかった。なんなら、少し茶葉を持っていきますか?」  
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