3.

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  さっきまでの寂しげな瞳が嘘のように、華やいだ笑顔を見せる。 「えー、でも。紅茶とか淹れた事ないし……やっぱ吉村さんが淹れたのがいいです。また来ますからお願いします」 「あははっ、うちに紅茶飲みに来てるんですか?」 「違いますよ。吉村さんに会いに来てるんですってば。紅茶はそのー、美味しいけど、2番目」 ほんっとどうしてこの人はいつも自分を下げるんだ。 いや今のは俺の言い方も悪かったかもしれないけど。 冗談にいちいち自嘲を混ぜてくるのがなんだか切ない。 紅茶も含めて、吉村さんの魅力の一つじゃないか。 「えっと、これも……よかったらどうぞ」 揃えられた白い指が、クッキーの皿を指す。 お言葉に甘えてまずは一つ頂くことにした。 小さくて丸いそれには砕いたアーモンドが混ぜ込んであるようだった。 さくさくと軽い食感に、アーモンドのカリカリとした食感がアクセントになる。 甘さは控えめで、紅茶のお供にちょうどいい。 「わー、これもすっごい美味しい」 「ほんとですか?」 「ほんとほんと。自分のボキャ貧っぷりが切なくなるほどに」  
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