4.

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  それから、なんとなく気まずい空気が流れた。 駄目? どうして。 手術すれば治るかもしれないなら、それは駄目とは言わないでしょう。 でも、そんなことを言う権利が俺にはないような気がして言えなかった。 彼女の抱えた痛みを、投げられた心ない言葉によって付けられた傷を、本当に分かっているのは彼女自身だけだ。 つい最近出会っただけの俺が、無神経なことなんて言えるはずもない。 「持って、きますね」 何かを押し殺したような語気で、主語のない台詞。 それを放ちながら彼女は立ち上がると、また奥へと消えていった。 傷つけてしまったんだろうか。 何か力になれるんじゃないか、っていう俺の思い上がりが。 頭を抱えると、思わず大きなため息が漏れた。 俺がため息なんかついてどーすんだよ。  
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