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「森がそんなに猛プッシュするなら俺も行ってみよっかなー。でも傾いてるとこって、嫌じゃね? 森は平気なの?」
「おー。俺は全然平気。噂のお手伝いさんは10分でリタイアらしいけど」
「なんっだよそれ」
笑われた。
最初は違和感を感じたものの、慣れれば結構平気なものだ。
苦手な人はとことん苦手かもしれないけど。
「でもよー、本当に相手が女性なら、男が一人で入るのってまずくね?」
……そうか。今まで気にしたこともなかった。
吉村さんってちょっとズレてるから……そのへんの危機感がないというか。
いや、俺も全然わかってなかったわけだけど。
似たような口実で変な男に押し入られでもしたら……!
「おーい、ちょい、どしたのもっちゃん。生きてる?」
「生きっ……いや、生きた心地はしてない」
突然心配になってきた。
吉村さんは美人だし、体つきも華奢だから襲われでもしたら抵抗なんてできないだろう。
俺は彼女をそういう目で見た事はなかったし、見てはいけないと心のどこかで自然とセーブをかけられていたからよかったけれど、世の中の男すべてがそうとは限らない。
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