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  どこか晴れない俺の気持ちとは裏腹に、よく手入れされた庭はどこにも綻びなく青々と光っている。 きっとあのお手伝いさんの努力のたまものだろう。 家の中に居られるのは10分程度だけでも、庭になら居られるはずだ。 そうして庭を抜けて、チョコレート色のドアの前に立っても、そこはぴっちりと閉じたままで開いてはくれなかった。 いつもであれば、俺がここに立つのとほぼ同じタイミングで彼女が開けてくれるのに。 やっぱり、歓迎されていないんだろうか? 俺に来て欲しくなかったんだろうか? ちりちりとした痛みが胸を走る。 いや、だけども気にしていたって仕方が無い。 思い切ってドアノブに手をかけ、無意味にぐっと握ってから奥に向かってドアを開けた。 ――ごつっ。 「……う、っ」 「うわっ!? ちょ、吉村さん!?」 鈍い音と微妙な手ごたえ。 その原因は、俺の開けたドアに激突した吉村さんだった。  
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