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勝負に、出ようか。
今の発言は、言葉の意味そのままで捉えていいのかそれとも単純な拒絶なのか。
相手は女性だし、話し方も上品でおとなしそうだ。
少し力技で押し切れば、色々聞かせてくれるかもしれない。
「これ純粋な疑問なんですけど、吉村さん自身は気持ち悪くならないんですか?」
『ええ、なりませんね』
「ぶっちゃけたことを言うと、実はその話が聞きたくて来ました」
『……じゃあ、上がります?』
彼女がそう言った直後、閉じていた門がひとりでに左右に割れて、開いた。
「おお、電動……?」
『まっすぐ進めば玄関ですから。言っておきますけど玄関から傾いてますよ』
みんな、俺、不思議なお屋敷に突入成功しそうだよ……それもものすごくスムーズに。
少しだけ深呼吸してから、吉村家の敷地に足を踏み入れた。
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