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そんな中で、私が目の敵にしている男がいる。
篠田明(シノダアキラ)25歳。
彼は入社3年目だが、かなり仕事のできる男で、まだ一応私が上司にあたるが、近々抜かされるのではと思っている。
しかもこの男、モテる。
背がすらっと高く、整った顔立ちに、清潔で知的な印象。
かなりの人数が彼を狙っているか、少なくとも憧れを抱いているらしい。
私にも一応プライドがある。
後輩なんかに抜かされまいと必死なのだ。
「篠田くん、昨日の件だけど進んでる?」
「はい、今日には企画案を提出できます」
昨日の夕方頼んで、期限は5日与えたのにたった1日で?
本当にムカつく男だ。なんでも卒なくこなしやがって。
「そう、やっぱり篠田くんは仕事が早いね。でも、もっとゆっくり考えても平気だよ」
私は少しいらつきを抑えて、平静を保ちながら言った。
「いえ、大丈夫ですから。今日中には終わります。」
彼はニコッと軽く笑って、視線をパソコンに戻した。
こういうのがムカつく。
完璧主義っぽいところも、こんな無理そうなことを言いながらも、絶対その通りやり遂げるところも。
ただの嫉妬だと言われたらそれまでだけれども。
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