29歳、崖っぷち

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昼休みになり、さっきの新人さんをランチに連れ出した。 「ごめんね、急にこんなお局に呼ばれて緊張しちゃうでしょ」 そう言うと、首をふるふると横に振りながら、全力で否定した。 「まだちゃんと話したことなかったから、良い機会かなと思って。あっ、ご飯何が食べたい?」 「何でも大丈夫です!あのっ、嫌いなものは特にないので……」 「じゃあ、私のオススメでもいいかな」 「はい」 そして私は、会社の近くにあるパスタ屋に彼女を連れていった。 それぞれに適当な物を注文し、本題に入った。 「書類チェックしたけど、よくできてるよ。解りやすいし、読みやすいし。」 「そんなとんでもないです……」 「ただ、この部分をもう少し具体的に書いてもらえるといいかな。また近いうち直して見せてもらえるかな?」 「はい!ありがとうございます」 一通りチェックを終えると、丁度いいタイミングで料理が出てきた。 トマトソースの良い香りが、一気に広がる。
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