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ワインを口にする。
いつも飲むような安いのとは違い、香り深くコクのある赤ワイン。
「おいしいです。こんなおいしいの初めてです!」
「ふふッ。それはよかったわ。」
彼女はキッチンに向かい、クラッカーとチーズを持って来てくれた。
今度は僕の隣ではなくて、向かいに座った。
「さて…。」
彼女は僕の目を見る。
力強くもなんだか儚い目…
「ちゃんと挨拶しなくてごめんなさい。
私は雪村 令子(ユキムラ レイコ)と申します。」
キレイな作法で彼女は頭を下げた。
「レイコ、さん…。お、僕は佐藤 嵐です」
「ランね。言葉遣いは気にしなくて良いのよ。私に気を使わなくていいから自分の言葉で話して良いわ。」
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