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暗くて何も見えない闇の底、俺はそこに居た。
「…これは夢?」
何処からか、声がする。
少年の凛とした綺麗な声が…
「そうだよ葵。」
『あおい』それは俺の名前だ…
声は聞こえるのに、どこから聞こえているのか分からない。後ろから聞こえたと思って振り返れば声は上から聞こえてくる。居るはずが無いのに下からも聞こえてくる始末だ。
「どこにいるんだ?周りが暗くて見えないんだが…。」
何処からか声がする
「大丈夫。朝が来れば見える。どんなに朝が来て欲しくなくとも必ず『何時しか夜は明ける』のだから……。嫌でも目が覚めてしまうよ。必ず……ね。」
どこか悲しげに、そして強く少年は言う。
「君は誰なんだ?どうして俺の名前を?」
俺は少年に尋ねる。
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