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何処からか声がする…
「君に最も近い存在。いや、君に触れられない存在かな…。」
「どういう意味だ?……っ」
急に頭痛がしてきて、なんだか闇が浅くなっていく。いや、むしろ光に俺の身体が飲み込まれている様だ。
何処からか声がする…
「残念だけど、もう時間切れみたいだ。君は帰るんだよ…元の世界へ。」
少年の言葉の後、ますます光は強くなり、俺の体は飲み込まれていく。
激しい頭痛の中、俺は少年に尋ねる。
「ちょっと待って!じゃあ……ここ…は?……。」
頭痛が酷くなり、意識も遠くなっていく。
「また…会える?」
何処からか声がする…
「もちろん。来るべき時が来ればね。」
その声を最後に、俺は完全に光に飲み込まれ、意識を失った。
俺が最後に見たのは、綺麗な蒼い瞳だった…。
何処からか声がする…
「来るべき時なんて、本当は来ないほうが良いのだけれど…」
蒼い瞳の少年は、まるで吐き捨てる様に言ったのだった。
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