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数日後。 由紀は優太の通っている学校の応接室に来ていた。 ここ数日優太の担任からあって話がしたいと何度も連絡があった。 その度に断ってきたのだが会社にまで連絡されては行かないわけにはいかない。 文句も言ってやるつもりだ。 ガチャ。 「お待たせしました。優太くんの担任の浅村凌一です」 中に入ってきたのは20代前半くらいの若い男の教師だった。 「優太の母の由紀です。あなたから呼び出しといて待たせるなんてどういうつもりなの?」 「すみません。ちょっと忘れ物をしてしまって」 「それで、話ってなんですか?こっちは仕事の合間に来てるんですよ」 「では単刀直入に言います。…優太くんの身体に痣があるのは知っていますか?」 「痣なんて子供ならあるもんでしょう?」 由紀はおもむろにバックから煙草を取り出した。 それを浅村が止める。 「校内は禁煙です」 「…わかったわよ」
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