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「痣はひとつだけではありませんでした。この写真を見てください」
浅村は脇に置いていた封筒から二枚の写真を取り出した。
それは優太の痛々しい身体が写っているあの写真だ。
「これは転んだり遊んだりして出来たものではない。誰かに殴られたものです」
「このクラスにいじめがあるんじゃないの?クラスの子に優太がいじめられてないってどうしてあなたにわかるんですか?もしかしたらあなたの知らないところでいじめがあるかもしれないじゃない」
「俺は子供たちを信じてます。優太は優しいから誰かに殴られても自分のせいにしてしまう。例えそれがどんなに理不尽ないいががりだったとしてもです」
「これはしつけよ!あなたに子供のしつけの仕方までいわれる筋合いはないわ」
苛立ちのせいで言葉が早口になる。だがそのせいでぼろが出た。
「しつけということはあなたがやったんですね?これは虐待ですよ。わかってるんですか?」
浅村は声を荒げもせずただじっと由紀を見つめている。
由紀にはそれが蔑んでるように見えて自分が認められてないような気がしてものすごく腹がたった。
「うるさいっ!あんたに何がわかるのよ!もういいわ。仕事があるので帰りますっ!」
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