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ガチャ。 玄関の開く音で優太は目が覚めた。 眠い目をこすりながら起きあがるとママが目の前に立っていた。 ものすごく怒っている。 「ママ?」 「あんた先生にお母さんの悪口言ったでしょ」 「えっ?ぼくママの悪口なんて言ってないよ?」 優太はなぜママが怒っているのかわけがわからなかった。 「とぼけんじゃないわよ!」 パシンと優太の頬が赤く染まる。 「あんたはそうやっていつも私を苦しめてるんでしょ!もうッいい加減にしてよッ!」 「ごめんなさい!もうしませんっ!」 「うるさいっ!」 優太は体を小さく丸めて泣きながらママに謝った。 きっとぼくが言ったことを先生がまちがえてきいちゃったんだ。 だってぼくはママが大すきだから悪口なんて言うはずがないもん。
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