Ⅴ     

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どのくらい殴られたんだろう。 ようやくママが殴るのをやめた。 「もう明日から学校に行かなくていいわ。ずっとここにいなさい。外に出るんじゃないわよ。誰が来てもドアを開けないこと。いいわね」 「…ッ」 はいって声を出そうと思っても体中がいたくて声が出なかった。 「聞いてるなら返事くらいしなさい!」 そう言ってまた優太はお腹を蹴られた。 もう動くこともできない。 ママ、ごめんね?ぼくがわるい子だからママが先生におこられちゃったんだよね。 心の中で何度も繰り返すがその思いがママに届くことはない。 それでも優太は思い続けた。
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