Ⅲ     

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「おれの大盛りな」 「ぼくも」 直人と優太のおわんになみなみとカレーが注がれる。 その横にはほかほかごはんの山。 「ほんと、よくそんなに食べられるよね」 「あっ昶。遅かったね」 「昶ももっと食わないと大きくなれないぞ」 「そんなに食べなくても大きくなるよ…たぶん。それより優太ちゃんと傷口洗ったの?」 「洗ったよ。直人がばんそこくれたもん」 ほらッと優太が膝を見せると仮面ライダーのばんそこが貼ってあった。 「みんな準備できたか―?」 先生がパンッと手をあわせてぐるッと皆の机を見回す。 「よし。じゃあいただきます!」 「いただきまーーす!」 号令とともにカチャカチャとスプーンが食器にあたる音が教室に溢れる。 「おいしい」 「直人、そんなに早く食べたらのどにつまるよ?」 「ふぁいおうふはほ(大丈夫だよ)……ッゴホゲホ!~~~~~!!」 「だから言ったのに。直人大丈夫?」 「ハイッ牛乳!」 優太が牛乳を持ち上げたそのときズキンと腕に痛みが走った。 ボトッと牛乳が床に飛び散る。 「あっ」 「げふぅ~。あぁ。死ぬかと思った」 直人は昶から牛乳を受け取ってなんとか生き返ったようだ。 「ぼく、ティッシュもってくるね」 安心した優太は先生の所にティッシュをもらいにいった。 「先生。ティッシュください」 「おう。どんどん持ってけ」 ぽいッと先生が投げたティッシュの箱を両手で受け取って昶と直人の三人で床をきれいに拭いた。 その間も先生はいつになく真剣な目で優太の腕を見ていた。
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