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くそっ…卓球ラリーめ…なかなかやりおる…
俺としたことが嘗めていた、まあ楽に50とかは越えるだろうと高を括っていた…
それが結果はどうだ、30すら続かないじゃないか
しかもミスするのは決まって俺…
やはり気の緩みが問題らしい
善く言えば短期集中型、悪く言えば飽き性である俺は無意識のうちに今日の夕飯のこととか、ふと目に映った物などに気が向いてしまい、気がつくと手元にピンポン球が迫って来ていてミスしてしまう
その他にもちょっとした力加減でピンポン球が遠くに飛んでいってしまったりネットに引っかかってしまうのでこれがなかなか難しい
運動ができるということで評判のこの俺にこんな辱めを受けさせるとは…侮れんな…卓球ラリー…
「どうします??、少し休憩挟みましょうか??」
どうして柚葉はこうも優しいのだろう
柚葉は一生懸命になって練習につき合ってくれて、しかも今もこうして俺のことを気遣ってくれてもいる
なのに俺といったらラリーに集中することすらもままならなくて…改めて自分の未熟さを痛感する
今思うと柚葉に俺との同棲にメリットなんてあるのだろうか
俺の場合は毎日美味い飯を食えて、洗濯や掃除もしてくれて、勉強なんかもわからないところは教えてくれたりとメリットしかない
というかこんなに可愛くて優しい子が同じ屋根の下で暮らしている時点で幸せなことこの上ない
だが柚葉にとって俺がメリットとなることは朝のゴミだしといざという時の用心棒ぐらいじゃないだろうか
しかもそれだってゴミだしは歩いて30秒かかるかかからない程度の距離だし、いざという時に俺がほんとに役に立つかなんてわからない
はぁ…ほんとに柚葉に申し訳ない、情けなさすぎる…
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