どうして俺が…

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「それとさっきのことだけどさ、俺は柚葉がもう大丈夫って言うまで隣にいるから。だから悩みができたら相談してほしいし、いつでも頼りにしてほしい。あっ、でも柚葉に大切な人ができたら教えろよ!?その時は潔く家から出ていくからさ。俺は柚葉には幸せになってほしいからな。」 「あ、ありがとうございます!!でも虹河さん、そんなこと言っちゃっていいんですか??私、虹河さんに一生側にいてくださいってお願いするかもしれませんよ!?」 そう言って悪戯に笑う柚葉はとても可愛くて胸の鼓動が一気に高鳴る きっと頬も朱く染まっていることだろう、顔の辺りが異常に熱い 柚葉の性格からしてわざとやっているようには思えないが、こんなことされたら世の男どもはみな恋に落ちるだろう かく言う俺も例外ではなく、胸の鼓動が一向に治まらない 確かにこの1ヶ月間何度もドキッとさせられたことはあったがそれは一瞬ですぐに治まった そもそも女性からドキッとさせられた経験なんてつい1ヶ月前までは数えられる程度しか無かった俺が、いくらこの1ヶ月で数多もの経験を積んだからといったって免疫なんざそう簡単にはできるはずなんてないのだからしょうがないと言えばしょうがない ましてや柚葉からのドキドキはインフルエンザなんて比べものにならないほど日々威力は進化していっているので、免疫ができたところで効果を発揮することなど不可能なのだ 「ふふっ、虹河さんの胸の鼓動大きくて心地良い響きです。もうしばらくこのままでいてもいいですか??」 そう、俺たちは未だ抱き合ったままであった だから柚葉にこの高鳴っている胸の鼓動がバレてしまうのではないかと危惧していたのだが、案の定バレていて、まさかこんな返しがくるとは想像だにしていなかった まあとは言え、俺が言うことなんてものは決まっているのだが… 「はい、もちろん。どうぞ自由に扱ってやってください。」
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