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ラインハルトから聞いた話によると、彼女の角は直接頭蓋骨から生えてるらしい。
その点から彼女はハーフかクォーターだと推測できた。
でも、それが何だと言うのだろう。
彼女は私達の仲間であり、大切な友(とも)なのだから、例えハーフでもクォーターでも、何ら変わりはない。
ただ、酔った際に気を付けなければならないだけだと思う。
「…ぁ…もう、日没ですか…」
そんな事を考えてる内に、日は沈んだ。
今日も多くの民が救われ、多くの民が犠牲になったと思うと、胸に何かが込み上げて来る。
「…どうか彼らに…………………ッ!?」
胸に込み上げた気持ちに突き動かされるように、私は窓の外へ祈りを捧げた。
その最中、急に世界が揺らぎ、全てが一つに溶け始めた。
「……ぁ…」
溶け始めた世界の中、辛うじて見えたのは、窓の外で煌々と輝く月と駆け寄ってくる誰かの足だけだった。
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