鏡と私。

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鏡を見て そこに映ったのが自分でなかったら どう思うだろう 鏡の中に 純白の羽根を持つ天使が居たら どう思うだろう きっと私は その鏡を割るだろう あまりに悍ましく 不似合いな姿に 鏡は時に 嘘を映し出す その時鏡の後には もう一人の自分が居て 真実を陰らせている 鏡は真実しか映さないと信じ そこに映ったのが自らだと信じ 己を全てだと思うのだろう 世界の全てを自分だと その虚像を真実だと 光が映し出す偽りと 鏡が映し出す虚像と 己が映し出す他人が 同じだと思って 自分色の眼鏡をかけて 全てが自分色だと思い込む 自分色に染まった鏡を見て それを真実と思う 鏡=真実 その虚像を崩し そね眼鏡を外し 世界の自分と向き合った時 世界の他人と向き合った時 初めてその鏡に触れられる 鏡は言わば 世界と自分を分ける境界 向こう側に居る自分を受け入れ 触れてみる 世界に触れて 自分が見えるならば その硝子は温もりを帯びているはず 誰にも解らない自分だから 偽りの自分と向き合って その色眼鏡を外して 自分の目で 世界を見てください 貴方の見ている世界は 本物ですか? ―END―
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