行き止まりの図書館

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彼女に言わせてみれば、小林紫苑という存在そのものが嘘なのである。 始まりから、終わりまで、全て一杷絡げなど関係なく全て、嘘 電波でもないし、不思議っ子でもない、あどけないというよりただ幼い笑顔なんて有るはずもなく、年不相応で、悪戯っ子など存在しない。 厚顔無知は装いで、袋のネズミは自ら飛び込み、近しい相手は見下して、袖の中に忍びこますカッターは自衛用。 すぐ蹴るのは嫌いだからで、すぐ殴るはウザいからで、けど弱いの仕様で、頑張ってアルミラージは手抜きだ。 頑張るけどすぐ負けるのは無気力で、不意に来るデレなんて諦めで、照れないし、笑わない。 底抜けな笑顔なんてものは作り笑いだ。 ……全部、全部嘘。 ただの嘘。
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