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「じゃあ、その子と王子様はお別れしてしまったの?」
幼い金髪の少女が、その愛らしい口を膨らませる。
老婆は微笑み、話を続けた。
「ところが、王子様は少女の落としたガラスの靴を手がかりに少女を見つけ出した」
少女はぱっと顔を上げ、輝くばかりの笑顔を見せ、続きを促した。
「素敵!それで?それで?」
「少女は王子様と結婚した」
老婆は少女にそっと語った。
「まぁ、本当に素敵!私もその子のように幸せになりたい!」
そこで、老婆は少女の髪に手櫛をかけていた手を止めた。
「私もそう思ったんだ」
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