燻る

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・ (高埜さんはセクシーだと思うよ。おやすみ!(^ω^)) やっぱり、意味が解らない…。 絵文字たっぷりに送られてきたメールを見て、今日は返信は止めようと決めた。 なんだか疲れてしまった。 ただ、田畑とは音楽の趣味は合いそうだ。 あくまでも音楽だけだけど。 田畑がどうして私になついてくるのか、 それはやっぱり解らない。 ただ、少しだけあいつが面白いと思ってしまった。 携帯を閉じる。 開け放した窓から、涼しい風が入ってくる。 部屋着にしている甚平から出た手足に、少しだけ鳥肌が浮かぶ。 明かりを消す。 テーブルの上に香皿を置いて、ホワイトムスクを焚き始める。 しっとり重さのある香りが、部屋を包んだ。 CDをビートルズに変えて、すっきりした音と香りを楽しむ。 贅沢な時間だ。 目を瞑って、ゆっくりと息を吐く。 澪に報告したい。 私は 返事が来ないであろうメールを打ち始める。
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