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脳内で田畑をひっぱたく。
「あの、田畑」
「メールしよう!」 なんだろう、この人は。
もうどうでも良くなってきた、アドレスだけ教えて、あとは適当にあしらってしまえばいい。
田畑に向き直る。
「くっ、赤外線送信する」
危ない、ウッカリ汚い言葉が出るとこだった。
「ありがとう!」
そう叫んで、抱きついてきた。
「いい匂いがする~」
ゾッとする。
委員長スタイルのくせに、田畑は香水をつけていた。
ムスク系の香りがする。
「先生来るから」
そう言うと、田畑は急いで赤外線送信を済ませて、「メールするね」と言って、席についた。
私はため息を吐きながら、開け放した窓から入ってくる風を浴びる。
田畑の香水の匂いが、服についている。
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