受験生

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「矢山さんも授業中寝るんだね。」 授業が終わり一ノ瀬君が話し掛けてきた。 爽やか過ぎる笑顔が眩しい。 だから、モテるのか。 「英文読解とか苦手なんだよね。 さっきはありがとう、一ノ瀬君。」 「へー、矢山さん頭いいから 寝るなんて意外な一面。 寝顔もかわいかったよ。」 ニコニコ笑いながら言ってくる。 別に嫌じゃないけど、かわいいとかスラスラ言う男は苦手だ。 「あはは、どうも。」 愛想笑いしかできない。 「ねぇ、俺、みんなから邦って呼ばれてんだ。 一ノ瀬君じゃなくて、邦って呼んでよ。」 「え…あ、うん。気が向いたら。」 「気が向いたらかよ。 連れないなぁ。 まぁ、そこがいいんだけど。 じゃあさ、俺、 「たぁまきぃーーーー!!!!」 ぶっちゃけ一ノ瀬君との対話に困っていたら 侑也が廊下から私の名前を呼んでいた。 助かった…。 「ちょっと、ゴメンね。」 そそくさとドアへ向かう。
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