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体育館中にバッシュが床に擦れる高い音と、
バスケットボールが弾む低い音が響いている。
春も終わりかけこの体育館は異様な熱気が出てる。
うちの部がIH進出かを決める試合で
多くの観客も緊迫して観ていた。
点数は、112―113。
うちの高校はわずか1点で負けていた。
残り時間は1分。
あと一つでもシュートが入れば…。
私は手に汗握り、必死で試合を観ていた。
これが高校最後の試合。
負ければ、もう終わり。
私たちは受験生になる。
私は男子バスケ部のマネージャー。
矢山 環(ややま たまき)。
3年のマネージャーは私、一人で
3年間部員と供にやってきた。
私たちの代は不祥事が多く、
何回か活動停止になり、
代々、皇后たる成績を残してきた
バスケ部に多大な汚点を付けてしまった。
だから、この試合には絶対勝ちたい
みんな必死だ。
相手は毎年、全国に行く強豪の第一高校。
はっきり言って、めちゃくちゃ強いけど
うちの部も負けてはいない。
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