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「っあ!」
うちのスーパーエース、司藤が
ボールを奪った。
観客が歓声をあげる。
司藤は、金髪で一見ちゃらいが
かなりの実力の持ち主で、
スモールフォワード。
運動能力も、他の選手とも格段に違う。
勝機が見えてきた…!
しかし、相手は全国強豪。
簡単に先ほ進ましてはくれない。
さすが第一……強い。
残り時間、30秒。
司藤は一呼吸おき、
一気に突っ込んだ。
すごい綺麗なドリブルさばき。
目が追いつかない…。
相手も必死に止めているが、
残りわずかに最後の力を出している
司藤のスピードに
だれも追いつけない。
みるみる相手を抜いていく。
あと10秒。
ゴール下には、司藤と同じくらい力を持つ敵エースが待ち構えていた。
相手の巧みなディフェンス。
さすがに、中々抜けない…。
残り5秒…。
司藤は強引にゴールへ
跳んだ。
あれ…ボールがない?
ボールは司藤の手にはなかった。
ボールは赤茶色の髪をした選手が持っていたのだ。
「侑也!!」
私は叫んだ。
ボールを持った選手、侑也はシュートを放った。
敵選手が慌てて跳ぶ。
手を目一杯伸ばし阻止する。
そして、敵選手の指が
綺麗な軌道を描いていたボールに若干、触れた。
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