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軌道が微妙にズレた………?
観客全員が息を呑んだ。
入る!絶対入る!
お願い!
ドン…ドン……ドン
ボールは、ゴールリングに2、3回バウンドし
ゴールの中には入らず、落ちた。
そこで、試合終了の笛が吹かれた。
ま…………負けた………………。
なんとも言えない感情が込み上げる。
私や選手たちはその場で立ち尽くす。
相手チームの選手、観客は
歓声をあげた。
気づけは涙が出ていた。
一粒、一粒、体育館の床に落ちていく。
監督が後ろからそっと肩を叩いてきた。
「よく頑張った。」
そう私に言い、選手たちの元へ行った。
選手たちも顔をぐしゃぐしゃにして泣いている。
互いに背中をさすりながら、
泣きあっていた。
………侑也は?
私は周りを見渡した。
侑也は選手の中にはいなかった。
彼は一人でゴール下にいた。
ゴールリングを黙って見つめていた。
これで私たちのバスケは終わったんだ。
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