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【学校*図書室】
- 詩遠、本棚の間をゆっくりと
歩きながら本の背表紙を眺める -
詩遠M
「……あと30分も時間がある。
自習してるとは言ったものの、
HRの後に来たから筆記用具も
教科書もみんな教室だし。
…興味深い本も、
特に見付からないな」
(ふと時計を確認し、
本に手を掛けることもなく
璃優の近くに行く)
詩遠M
「あー、やっぱりまだ寝てるか。ていうか当分起きそうもないな、これは。
座った状態で寝ないで、
保健室に行けば良いのに…」
(呆れと心配が混ざったように)
- ふと璃優に枕のようにされてる開きっぱなしの洋書が目に入る -
詩遠
「コレ……さっきの」
璃優
『ダメ!勝手に見たらっ。
これは璃優にしか読めないの!』
詩遠
「璃優にしか読めないって事は、相当難易度の高い
洋書だったりして。……」
詩遠M
「璃優が授業をサボってまで、
夢中になれるArkって洋書。
それだけで興味が湧いてくる…。
今の所一番気になる本、かも」
璃優
『何でもないの。詩遠は
気にしなくていいから』
詩遠
「――…ごめん、璃優。
あんな事言っておいてなんだけど…少しだけだから…。」
- そーっとArkに手を近付けるが、触れる瞬間に強い静電気の
ようなもので手を弾かれると
同時に映像が流れ込んでくる -
ユーフィア
『…俺もシャロンのことが好きだ。初めて、会った時からきっと…』
シャロン
『良かった…思い切って伝えて。…ミアとエルバートは、私達の
事を認めてくれるかしら…?』
ユーフィア
『ああ、絶対喜んでくれるって!これから先も、俺達の仲は
変わらないよ』
シャロン
『そうよね……。
きっと、許してくれるわよね…?』(きっと―は小声で、
微かな希望を抱くように)
詩遠
「つ…っ。…!?
今のは…何だったんだ…!?」
詩遠M
「今見えた男の方…
どこか朔夜に似ていたような…。
それよりこの洋書、
ただの本じゃないみたいだな。
何故か俺を拒んでいるみたいに
みえる」
詩遠
「璃優…早く起きてくれよ――…」
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