~ヴァンパイヤ~

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―少女は彼を抱き締めながら、話しかけた。少女の瞳は虚ろで、涙だけが流れている…。 「貴方と初めて出会った日も私はこんな風に泣いてた…。」 少女は何かを思い出すようにゆっくりと瞳を閉じた…。 数年前、教会の前で泣いていた私。優しかった両親はヴァンパイヤに殺され、私は1人になってしまった。どうすればいいのか分からなくて泣いていた私に彼は救いの手をさしのべてくれた。 「迷子か…?」 彼はそう言って困った様に私に微笑んだ。私はただ1人になりたくなくて彼の手を取っていた…。 それが私と彼の出会いだった。 私はただ1人になりたくなかった。彼はそんな私を困った様な微笑で抱き締めてくれた。 ねぇ、貴方はその時どう思っていたの…?
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