プロローグ

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女性は見る。 化け物を。 今まで男性が化け物との間に立っていたため、化け物見ることが出来なかったが、少し体を右にそらして見る。 「えっ、嘘! ……本当!?」 女性は驚く。 このような状態は想定していなかったからだ。 想定していなかったこと、それは、化け物の右腕が無かったことだ。 嫌違う、実質にはある。 地面に。 歪な腕が。 切れていたのだ。 腕が。 そして、切れた腕の後から、噴水のように血が吹き出ている。 「ギャアァァァー!」 化け物は叫ぶ。 さっきと同じ叫び声で。 多分、苦痛の叫び声なのだろう。
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