プロローグ

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縦一線に大刀を振り下ろした。 化け物は斬れる。 縦に。 真っ二つに。 今まで叫んでいたのがプツリと止まった。 「……終わったの?」 「えぇ、こいつは」 女性の動揺した状態の質問に、男性は化け物を見詰めた状態で答えた。 男性は、フードを取りながら女性の方を向く。 「はじめまして。僕は藤堂響『トウドウ ヒビキ』です。あなたは」 「アリシア。アリシア・キュアラーです」 アリシアと名乗った女性は、藤堂と名乗った男性を見る。 そして、ゾッとした。 外見に。 色素のない白いショートカットの髪に、東洋人とは思えない白い肌、顔つきはしっかりしている。 普通より格好いい方だろう。 ただ目が、赤かった。 化け物と同じ赤だ。
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