プロローグ

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月明かりが淡く光る荒れ果てた街に、ボロボロのモーフのような茶色布を体に巻き付けてた、長い栗色の髪の女性が走っていた。 何かから逃げるように。 街は、いや、街と呼ぶにはもう相応しくないかもいかも知れない。 まず、人の気配が全くしないのだ。 今街の中を走っている女性以外、一人も。 道路のアスファルトには至る所に罅がいき、酷いとこでは、アスファルトが砕けている所もある。 車が走っただけでもアスファルトが捲れ上がるだろう。 他には、道にそうように建っている電信柱の電線も、大半は切れ、電信柱自身が折れている物もある。
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