プロローグ

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走っていると、時折瓦礫に躓いたり、バランスを崩して転ける時もあるが、それでもすぐに立ち上がり、走る。 走らなければいけない理由があるからだ。 「フシュー……ハァー」 奇怪な声が女性の後方から聞こえた。 人間の声とは似つかわしい声が。 ドス! ドス! 次に重々しい音が規則正しく鳴り続ける。 女性は後方を向いた。 暗くてよく見えないが、後方には、何かがいた。 少し遠いが、二足歩行で、背が高いのは分かる。 身長が、2メートル以上はあるのではないだろうか。 そしてもう一つ分かったことがあった。 目が赤い。
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