14人が本棚に入れています
本棚に追加
走っていると、時折瓦礫に躓いたり、バランスを崩して転ける時もあるが、それでもすぐに立ち上がり、走る。
走らなければいけない理由があるからだ。
「フシュー……ハァー」
奇怪な声が女性の後方から聞こえた。
人間の声とは似つかわしい声が。
ドス! ドス!
次に重々しい音が規則正しく鳴り続ける。
女性は後方を向いた。
暗くてよく見えないが、後方には、何かがいた。
少し遠いが、二足歩行で、背が高いのは分かる。
身長が、2メートル以上はあるのではないだろうか。
そしてもう一つ分かったことがあった。
目が赤い。
最初のコメントを投稿しよう!