プロローグ

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夜に、街灯が一つもない場所なのに、目だけが浮き出ているかのように、目立って見えた。 赤い目は、女性を捉えていた。 女性は恐怖する。 人外の生物に見られているため。 兎に角逃げることだけを考え、前を向く。 「ガァァァァ」 人外の生物は、吠えた。 吠え続ける。 廃墟と化したアパートや家が、揺れるぐらいに吠えた。 寒いのに、女性は体中から変な汗がでた。 恐怖のせいだろう。 恐怖で、足が竦みそうだ。 だが耐え、走った。 人外の生物から逃げるため。 人外の生物は、吠えるのを止めた。
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