始まり

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『ありがとうございます。』 と取ると、涙を必死に押さえていた。 『なぁ。仕事がなくなることは、悲しいことやと思う。この世界では致命的にもなる。やけど、まだまだ若い。いくらでもやり直しがきける。続けたいかどうかなんて、自分次第やない?本当はどうしたい?』 と俺は諭すように、その子に話した。 その子は何かを考えるようにうんうんと頷きながら聞いていた。 ・・・素直やな。ええ子やないの。 と思いながら、答えるのを待った。 『私・・・自信がなかったんです。一時期はテレビに出てたことは沢山ありました。だけど・・・グループとしての活動も、大きなグループの活動もなくなって、今は地方に行ってのロケばかり・・・それも、この間終わって。・・・とうとう出なくなって、最初はトークに出てたんですけど、私人見知りで話せなくて、そこから出なくていいと言われてマネージャーさんと喧嘩になっちゃって・・・』
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