闇の片鱗

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ザックス『そう言ってくれると、こちらとしても嬉しいね。お代の方は気にしなくていいよ、サービスだと思ってくれ……それじゃまた』 最後にそう言うと、通信を切った。 シュウは、ザックスの言った言葉に、少しだが笑っていた。そして、隣で意味が分からないと言った顔でシュウを見るジェス。 ジェス「なぁ……それで、あの人に調査以外に何を頼んだんだ?」 シュウ「あぁ、ソレか。その前に、いくら俺達が必死に施設を回っても上層部が動かなければ意味が無いだろう?」 ジェス「まぁそうだな……。今の目的は、エイルを造った上層部の人間を見つける事と、ソレに関わった施設や科学者も見つける事だよな」 シュウ「そう。そこでだな、エヴァンが死んだのも随分昔の事。確かに関わった連中たちのリストはあるが、それでももう既に寿命で死んだかもしれない。等、色々とあるが……消去法でそう言う類をリストから省いてみる事にした」 それで、ザックスから送られてきたデータがそれである。まだ照合が終わっていないニーナとマリンを見て、シュウは話を続けた。 シュウ「まぁソレが今回アイツに頼んだ調査。そして、ザックスには最後に頼んだんだよ。調べた痕跡をわざと残しておいてくれって。それも、目立つものから複雑なものまで多種多様にな」 ジェス「成る程、じゃあソレに気付いて行動を起こした上層部の奴が、暗部に深く関係している可能性があると」 シュウ「そうだ。まぁ……他にも色々あるが、このまま続けるのなら一気に連中を炙り出す」 簡単に言うシュウだが、実際は非常に危険な事だった。わざと見つかる真似をして、一気に暗部を叩き潰す。 それが、調査の途中で思いついた一つだった。 話し終えたところで、照合が終わった2人は、シュウのデスクに新しいリストを置いた。
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