闇の片鱗

6/31
前へ
/430ページ
次へ
はやて「嗅ぎまわってる?」 さっきまでは、笑顔だったはやての表情が一気に険しくなった。そして、ヴェロッサにアイコンタクトで続きを促した。 ヴェロッサ「周辺を探られたり、ハッキング等手段は色々。エイルの一件があったせいか……妙に怯えてるらしくてね」 はやて「でも、それと六課が何の関係が?」 ヴェロッサ「単純に、怖いから守って欲しいんじゃないかな?おそらく、何か適当な理由をつけて解散を引き延ばすだろう」 その嗅ぎまわっている犯人はザックス。そして、それを頼んだのはシュウ。そんな事情を知らない2人は、なのはと喋っているシュウを見た後、ヴェロッサがさり気なく傍に行った。 どうやら、シュウにも話すつもりだった。 ヴェロッサ「シュウ君、お疲れ。君が一番怪我が酷いって聞いたけど大丈夫かい?」 シュウ「ん?今更アレで死ぬわけないだろ。この2~3年で生死の境をさ迷いまくってるよ」 ヴェロッサ「あははー、何でだろうね君が言うとリアル過ぎて怖いよ」 まぁ実際、記憶喪失になったり、身体にロストロギアを埋め込まれたり、それが暴走したり、そのお陰で身体の内側がボロボロになったり、因縁ある相手と戦っては、死にかけたりしている。 ヴェロッサ「ところで、話は変わるけど……」 そして、はやてに話したことをもう一度シュウに伝えたヴェロッサ。 シュウ「ふぅん……案外と抜け目無いな」 ヴェロッサ「どうだろう、連邦の方からも調べてみてくれないかな?」 シュウ「あぁ、構わないぞ。……思ったより早かったな、やっぱり今日仕掛けて正解だな」 最後の呟きはヴェロッサには聞こえなかったが、その話をした瞬間のシュウの表情の変化は見逃さなかった。 ヴェロッサ「(……まぁ思い過ごしだろうね、僕の)」
/430ページ

最初のコメントを投稿しよう!

83人が本棚に入れています
本棚に追加