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ニーナ『それで、どうします?』
シュウ「少し様子を見たいが……いや、そんな暇は無いかもな。とりあえず、マリンやジェス達には今日の調査も休みだって伝えてくれ。ニーナ、その代わりに俺達だけで行くぞ」
ニーナ『分かりました、それじゃ準備だけしておきますね。私は夜に備えて休みますから』
それだけ話すと通信を切った。
シュウ「さて、お偉いさんはどう動くかな」
そう言うと、また不敵に笑いながらはやて達のところへ戻った。
そして、その日の深夜。
格納庫のヘリの前にシュウとニーナは立っていた。
ニーナ「いいんですか?2人で行くのは納得ですけど、流石にシェリンを連れて行かないと万が一に……」
シュウ「万が一?もしソレがあったとしても、もっと先の事だ。今日は、3つだ。3つ潰す」
暗部がシュウの言葉に反応して、本当に動き出しているのかどうかも定かではない。動き出すのはいいが、上層部の人間の反応だけで動く事に、納得行かないニーナは、溜め息を吐いてヘリに乗り込んだ。
ニーナ「……今日予定の研究施設。座標位置はラインに転送済みです」
シュウ「分かった」
ヘリで出発してから1時間程経った頃、1つめの研究施設の屋上のヘリポートに着陸した。
ニーナ「こちらの様子に気付いてはいませんね」
シュウ「よし、出るか」
2人は、デバイスを起動せずに中に入ると、地図を見ながら調査を始めた。
ニーナ「やっぱり、人が居る気配はありませんね」
シュウ「ん~……だったらこうするか?」
そう言うと、ポケットから手榴弾を取り出した。相変わらず、物騒なものを簡単に持ってくる男だった。
そして、ピンを外すと近くにあった階段へ向かって投げた。
階下から爆発音が聞こえ、2人の居る廊下が揺れると同時に、警報が鳴り響き、数人の声が聞こえてきた。
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