闇の片鱗

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誰も居なくなった研究室を覗くと、幾つかのコンピューターはまだ作動していた。 ニーナ「破棄するなら、完全にシステムをシャットダウンしてからにすればいいのに……」 システムがまだ動いている事に呆れながら、モニターに目をやると、ニーナは目が点になった。 ニーナ「シュウ、これ……」 シュウ「成る程」 モニターには、データが全て消去されている事を表示していた。これなら、放置して脱出しても納得が行く。 シュウ「次行くぞ」 ニーナ「ええ」 2人も、もうココに居る必要が無いと確信した。最後に、手分けして施設に時限爆弾を設置すると、ヘリが施設を離れて直ぐに起動した。 シュウ「しかし、毎回爆弾使うと……色々問題だな」 ニーナ「施設が完全に機能しなくなればいいんですよね?」 シュウ「あぁ」 ニーナ「でしたら、直接施設の中枢だけ狙えばいいのでは?メインコンピューターを破壊さえ出来れば、それで機能もしなくなるわけですし」 そうは言うが、それもそれで問題だった。第一、場所が分からないし、見つかる可能性も高い。 それでも、無闇に危険な事をするよりかは幾分かマシに思ったシュウは、渋々だがその提案を受けた。 そして、2箇所目。 予定通りにメインコンピューターの破壊を優先して行動する事にした2人は、施設のダクトや監視カメラの死角を利用して2時間掛けて地下にある研究室にたどり着いた。。 シュウ「動き回って……最後がココかな」 ニーナ「ですね。扉はロックが掛かってますね、ゾーグ。生体反応は?」 <ありません、反応はマスター達二人のモノだけです> シュウ「そうか、だったらこじ開けるか」 ニーナ「穏便にお願いしますよ」 また爆弾でも使われると思ったニーナは、先に釘を刺した。シュウは、それを適当な返事で返すと拳銃を取り出した。
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