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仕方が無いとは言え、正直スカリエッティの顔は見たくないニーナだった。だが、そんな文句も言ってられない。
コホンと咳払いをすると、本題に入った。
ニーナ「エイルの事で、聞きたいことがあります」
スカリエッティ「前にも言ったが、私は彼を知らないよ」
ニーナ「えぇ、そうでしょうね……。では、この名前を知っていますか?エヴァン・イシュル・ジル」
スカリエッティ「ほう……コレはまた、懐かしい名前を出すね」
やはり知っていた。どうやら、本当にエイルという名前だけでは、彼の本名を知ることも無かったらしい。
ニーナ「単刀直入に言います、エヴァン・イシュル・ジル。頭3文字を取ってエイル。貴方が組んでいたエイルと言う男は、その科学者の若い頃の姿を模した精巧に出来た人形だったんですよ」
それに、スカリエッティは驚いた表情を見せた。が、すぐに表情も戻った。
スカリエッティ「エヴァンが、エイルだったとはね。ちなみに、そう断言できる根拠は?」
そして、ニーナは管理局上層部の暗部の動きや、エヴァン・イシュル・ジルは既に殺されていたことなど、調査で出た結果を話した。
ニーナ「どう思います?」
スカリエッティ「ふむ……まず、君の言う管理局の闇の部分は実在するだろうね。彼と組んでいた時から薄々は思っていたのだよ、何処から資金を手に入れているのか?情報やデータ等もどこから?とね」
ニーナ「やはり存在している可能性が高い……か」
スカリエッティ「そうだろうね。それに、研究施設や関わった人間の規模のでかさから見ても、他の研究に移行している可能性もある。いや……同時進行か?」
彼にしては、非常に珍しくこちらの疑問に答え。面食らいながらも、彼が嘘を言っているようには思えないニーナは、一部始終をゾーグに記録させた
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