11人が本棚に入れています
本棚に追加
僕はまだ僕以外の生徒が一人もいない教室へと入り、静かに自分の席へと座った。
僕の席は窓側なので、窓を全開にして縁に左肘をかけ、左の手のひらの上に顎を乗せて外を眺めた。
まだ数は少ないが、青みがかったセーラー服の女子が校門に向けて歩いてきている。
金森高校は、今では男女共学の一般校だが、昔は女子校だったらしい。
なので、今でもその名残で男子の人数が女子より少ない。
まだ入学して2ヶ月程しか経っていない僕にはまだ、全校生徒の4分の3は女子というハーレム状態には慣れていない。
「おはよう東流くん
窓の外なんか真剣に眺めちゃって、女子高生の観察かな?」
僕が外を見ながら呆けていると、後ろから声がかかった。
「西村か…
違うよ、ただ何もすることが無かったから…」
「何もすることが無いからって女子高生をじろじろ見てるの?
いやらしー」
彼女の名前は西村近衛。
彼女はいつもそうやって僕を茶化すから少し苦手だ。
「だから違うって!」
「今さら言い訳なんて見苦しいぞ!」
「はぁ…
もういいよ…」
「認めたな!ヘンタイ!」
「だから違うって!」
西村と話していると疲れてしょうがない。
最初のコメントを投稿しよう!