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「ねぇ、プロの殺し屋って本当にいるのよ」
突然、女の声がした。
男は驚いて前を見た。目の前にはいつの間にか15才くらいの女の子が座っていた。
ここは喫茶店。
男は、一人でぼーっとコーヒーを飲みながら外を眺めているところだった。
「…何だい君…?」
その女の子に見覚えはなかった。こんな子に突然目の前に座られて話しかけられる覚えもなかった。
女の子は軽く微笑んだ。
「今、何て?」
男は、頬杖をついてじっとこっちを見ている女の子に聞いた。
「だから、プロの殺し屋って本当にいるのよ」
何て答えたらいいのだ。この子はちょっとおかしいのかも知れない。
「…ま、いてもおかしくはないだろうね。殺し屋くらい」
「そうなのよ」
「…で、それがどうしたの?まさか君がそうだなんて言うんじゃないだろうね」
「そうなのよ。実は」
「……」
やっぱり少し変かも知れない。男はコーヒーを一口飲んで、笑いながら聞いた。
「で?まさか僕を殺しにでも来たの?」
「そうなのよ。その通り。あなた結構勘が鋭いのね」
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