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僕、幸せだよ。
誰かがそばにいることがこんなに心地いいなんて知らなかった。
いつも僕のそばにいるのは僕のことを笑う人ばかりだったから。
友達…………
そうだね、友達。
僕の唯一の―――――――
「―――幸?」
目を覚ますと幸の姿は消えていた。
窓の外を見ると空が赤らんでいる。夕焼け。日が沈もうとしているのだ。
そんなに寝ていたのか…
今日の授業はひとつも受けてないのに気付く。
「そういえば幸……」
室内を見ても幸はいない。人影すら見当たらない。
もしかして全部夢……
でも、かすかに残った幸の熱が幸がいた事実を伝えてくれているようだった。
とたんに寂しくなった。
僕は膝を抱えて頭を埋める。
遠くに下校時間を知らせるチャイムが。廊下にこだました。
幸……………
幸、どこいった?
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